開発エピソード
差しピンゲート(水量を調整するために扉体を持ち上げて横からピンを差し、扉体の位置を固定するゲート)を開ける作業が大変という苦情から、現地を見に行ったことがキッカケでした。
ウェッジの角度が悪くて扉体が戸当りと案内金具との間にハマリ込んで抜けないことと、水重がかかると扉体の引き上げが重いことが原因だったのです。
それから、差しピンゲートとネジ式ゲートの中間のものがあれば都合が良いと考え、簡易ピンラックゲートを開発し、商品化しました。
それから2・3年後、ネジ式ゲートでもラックゲートでも上に出ているスピンドル(主ネジ)の部分が雪の重みで曲がるので、曲がらないものができないかという相談があり、頭を悩ませてました。
内ネジ式ゲートにすれば簡単にできるということは常識的に分かりますが、商品とするにはスピンドル(主ネジ)を規格化する必要があります。しかし物件ごとにケースバイケースで、違うゲートの高さ(軸の長さ)を要求されるので、簡単に規格化することができないという問題がありました。
半年ほど考えていたら、ふと解決のためのヒントが浮かび、試作品の製造に取り掛かり、更に1年あまりの試行錯誤を経て商品化にこぎつけました。
結果として、内ネジゲートを完成させることができたのはもちろん、種々の部品を規格化し、ロストワックス鋳造品にすることによりコストを下げ、納期を早めることにも成功しました。
また金属部分は耐久性やリサイクル性を考慮しステンレスにしました。
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水圧による水漏れテスト |
現在も、さらに改良を重ねております。毎年の改良によって業界でも高い競争力の製品を作り上げることができるものと考えています。
工場内に並んだ規格化した内ネジ部品
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