開発エピソード
以前、フラップゲートの修理を依頼され、現場を見に行くと戸当りが同時打設によってコンクリートに生け込まれていた。この戸当りを撤去し、新しい戸当りを付けることは大変な手間(費用)がかかり、出来上がりもうまく行かない。たいていの場合は、古い戸当りの上に新しい戸当りを溶接することになるが、防錆がうまく出来ず耐久性が問題になるケースが非常に多かった。
また、古いフラップゲートは扉体の重さで閉まるように、戸当り取付壁面を斜めに傾けて作られている。逆に言えば、垂直な壁面には隙間ができてしまい取り付けられなかったのだ。
そして扉体の構造ががっちりしていて重い場合は、水を排出するのに大きい水圧が必要となり、背部の水面が高くならなければ排水されませんでした。
この従来の欠点を克服するために考案されたのが、おもり付きフラップゲートであります。
おもりの重さを利用して、扉体を壁面へ向けて押しているため、垂直の壁面に取り付けても、扉体が戸当りに密着します。また、おもりは扉体を軽く押すようにバランス調整できますから、管内のわずかな水位でも水を排出します。
日本の工業技術が向上していくなか、物価の上昇に比べて人件費の上昇が目覚しく、現在では小型水門は、錆等に弱く短期的な入換えが多く発生する鋼製の塗装仕上げ品やどぶ亜鉛めっき品と比べて、錆に強く耐久性にも優れたステンレス鋼製の方がはるかに経済的です。
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